社長:売上アップなのに儲からない?……なんでだ? ルーシー、これってどういうことなんだ?
ルーシー:あら、それ、典型的な「増収減益」パターンかもしれませんね。今日は“5分でわかる儲けの仕組み”を一緒に見ていきましょう!
社長:おぉ、5分ならギリ飽きずに聞けるな(笑)。
ルーシー:ありがとうございます。それでは、まずCVP分析──Cost-Volume-Profit分析ってご存じですか?
社長:いやあ、名前は聞いたことあるけど…昔は売上だけ見てて、大失敗したこともあってね(苦笑)
ルーシー:それは今こそ活かせますね!CVPは「売上・変動費・固定費」から“儲けのベース”を読み解くフレームワークです。
社長:具体的にどう見るの?
ルーシー:例えば、売上1000万円・変動費400万円・固定費300万円の会社なら──
限界利益(売上−変動費)=600万円
営業利益(限界利益−固定費)=300万円
限界利益率=600万円÷1000万円=60%。この“60%”が「売上のうちどれだけが利益の土台になるか」の目安です。
社長:あ、それなら分かる。ウチ、最近原材料費上がってて、そのせいで“土台”が削られてるのか。
ルーシー:そう、それを見抜けるのがCVPです。そして、この考え方を使って「利益が増減した理由」を分解するのが『経常利益増減要因分析』です。
社長:なんか難しそうだな……
ルーシー:いえいえ、3つの要因に分けるだけです。
① 売上要因:売上が増えた分、どれだけ利益が増えた? ② 限界利益率要因:原価や値引きで、粗利率が変わった? ③ 固定費要因:家賃や人件費、増減した?
ルーシー:式でいうとこうなります。
売上要因 = (当年売上高 − 前年売上高) × 前年限界利益率
限界利益率要因 = (当年限界利益率 − 前年限界利益率) × 当年売上高
固定費要因 = 前年固定費 − 当年固定費
社長:マジか。こんなに簡単に“見える化”できるのか!
ルーシー:はい。例えば、前年売上8000万→今年1億で、限界利益率が30%→25%、固定費は横ばいとしましょう。
売上要因:+2000万×30%=+600万円
限界利益率要因:-5%×1億=-500万円
固定費要因:増減なし=±0万円
差し引き+100万円の増益。でも、もし利益が全然増えてなければ「限界利益率の悪化」がボトルネックだったと分かります。
社長:それ、現場に見せたら一発じゃん。
ルーシー:その通りです!しかもウォーターフォールグラフ──いわゆる“滝グラフ”──にすれば、視覚的にバチっと伝わります。
社長:売上だけ見て一喜一憂してたのが恥ずかしいな。
ルーシー:いえ、それが普通です。でも、経営って“原因”が分かれば“対策”が打てるようになります。
社長:チェックリストとかある?やり方忘れそうで……
ルーシー:おまけにしておきますね!
【簡易チェックリスト:利益減少の見える化】
□ 直近2期の売上・変動費・固定費を分けた?
□ 限界利益率を計算してみた?
□ 3要因の利益影響額を計算した?
□ ウォーターフォール図で視覚化できた?
□ 原因に応じて打ち手を整理した?
社長:これエクセルでテンプレ化したら便利だな。
ルーシー:そのうちやってアップしておきます。(メタ発言)
社長:じゃあ早速、ウチの数字でやってみるか。営業にも見せてやろう。
ルーシー:それが社長の本領です!経常利益の“増減理由”を見える化するだけで、現場との会話の質が変わりますから。
社長:うん、数字が見えると“感情”も動くもんだな。
ルーシー:まさにそれです。ぜひ“データ”と“感覚”の両輪で、次の一手を打っていきましょう!