社長:ルーシー、この間の展示会な、思ったより反応がイマイチでさ…。なんか最近、何をどう売ったらいいのかよくわからなくなってきたよ。
ルーシー:展示会、お疲れさまでした。で、その“何をどう売るか”って話なんですけど…それ、まさに「4P」と「4C」の話ですね。
社長:あー聞いたことある!商品とか価格のPでしょ?でも正直、理論はよくわかんないんだよね。
ルーシー:では今日はその“よくわからん”をスッキリさせましょう。まず「4P」は売り手目線、「4C」は買い手目線です。つまり、社長がどう売りたいかと、お客さんがどう買いたいかの違いです。
社長:ふむ。ウチは「いいモノ作って」「適正な価格で」「商社に流して」「チラシや営業でアピール」してる…これ、4Pだな?
ルーシー:その通りです。製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)。でも今のお客さんは「いいモノなら買う」時代じゃないんですよね。
社長:じゃあ、何が大事なんだ?
ルーシー:顧客価値(Customer Value)、顧客コスト(Cost)、利便性(Convenience)、コミュニケーション(Communication)。これが4Cです。
社長:ちょ、急に横文字で攻めてくるな(笑)
ルーシー:すみません(笑)。たとえば、お客さんが「便利だな」「買ってよかったな」「気持ちよく買えたな」って思えるかどうか。それが今は重要なんです。
社長:なるほど。で、具体的にどう変えるんだ?展示会で配ったパンフレットとか、価格とか。
ルーシー:たとえば、パンフレットは“プロモーション”ですが、それを“コミュニケーション”に変えるなら、LINE公式アカウントで質問を受けたり、購入者の声を載せたりするんです。
社長:LINE公式アカウントって、俺のガラケーでもできる?
ルーシー:……さすがにガラケーは厳しいです(笑)でも、そのツッコミ、大事です。実は4Pと4Cの違いって、そういう“ズレ”を発見することでもあるんですよ。
社長:でた、うまくまとめたな(笑)
ルーシー:では、ほかのPもCに変換してみましょうか。
社長:よっしゃ、きた!
ルーシー:まず製品(Product)→顧客価値(Customer Value)。たとえば「機能性が高い」ではなく、「この製品のおかげでどう生活がラクになるか」を伝える。
社長:単なる性能じゃなくて、「お客さんの悩み解決」ってことか。
ルーシー:そうです。次に価格(Price)→顧客コスト(Cost)。これはお金だけじゃありません。たとえば「送料無料にする」「決済方法を増やす」「返品しやすい仕組みにする」なども、顧客コストの削減です。
社長:うちは代引きしかないな……確かに不便かも。
ルーシー:そして流通(Place)→利便性(Convenience)。店舗が遠いとか、営業時間が短いと不便ですよね。ECサイトを整えるとか、土曜営業をするとかも改善策です。
社長:たしかに。ECサイト、スマホで見にくいって言われてたな。
ルーシー:そして最後、プロモーション→コミュニケーション。これは先ほどのLINE公式アカウントもそうですが、レビュー返信、SNSでのやり取り、動画コンテンツも含まれます。
社長:片道通行のチラシ文化じゃ、もう限界か。
ルーシー:その通り。で、ここで出てくるのが「プロダクトアウト」と「マーケットイン」の考え方です。
社長:それ、たまに聞くけど、正直よう分からん!
ルーシー:プロダクトアウトは「いいモノを作れば売れる」発想。マーケットインは「お客さんの声から作る」発想です。
社長:昔ながらの町工場って、だいたいプロダクトアウトだよな。
ルーシー:ええ、でも今はマーケットインでないと厳しい。つまり、「売る前から、買う人のことを考えて作る」。その象徴が4Cの考え方なんです。
社長:…ってことは、ウチも変わらないと、って話か。
ルーシー:その決意、とても大事です。まずは「今のお客さんが何を嬉しいと感じるか」から見直しましょう。
社長:OK、社員全員集めて「4C会議」やるわ!
ルーシー:はい。そして社長、「全部任せた!」じゃなく、「一緒にやろう」って言ってくださいね?(笑)
社長:わかってるよ。うちは“中小企業診断士と伴走する会社”だからな。
ルーシー:うれしいですね。じゃあ、私も腹くくって、4C改革のお供します!