クロタネ「今日はみんなに集まってもらったのは他でもない。俺たち営業の“行動”を全部洗い出すためだ」
営業カラスA「えっ、営業行動って……普通に訪問して、提案して、受注してるだけですけど?」
クロサキ(小声で)「その“普通”が人によって違うのが問題なんですよね……」
クロタネ「そう。何が効いてて、何がムダか。それをちゃんと自分たちで見えるようにしたいんだ」
ルーシー「今日は“巻紙分析”という手法も使ってみましょう。ある案件の流れを、時系列で書き出していく方法です。行動を出しやすくする助けになります」
クロタネ「よし、じゃあCくんの○○商店の案件でやってみよう」
(営業カラスCが説明し、クロタネが巻紙に書き出す。「展示会で名刺交換→初回訪問→社内調整→提案書作成」…)
営業カラスB「あ、それ調整に手間取って、他社に流れそうになったやつですよね」
クログチ「社内の見積もり反応が遅かったからタイミング逃したんじゃなかったっけ?」
クロタネ「……こうして出していくと、リスクも見えてくるな」
ルーシー「では次に、この巻紙で出た行動も参考にしながら、“普段やっている営業行動”を洗い出していきましょう。カテゴリ別に付箋に書いていきます」
(模造紙に「顧客獲得」「購買頻度アップ」「単価向上」などの分類をルーシーが描き、全員で付箋を書き出していく)
営業カラスC「展示会後のフォロー、Web問合せ対応……あと、定期テレアポとか」
営業カラスA「新商品サンプルの持参。あと……“お土産トーク”も……一応?」
(場が和んで笑いが起きる)
クロサキ「“数字に効くか”はさておき、行動としては出す価値ありますね」
クロタネ「そうだ。とにかく今は、やってることを全部出し切るのが大事だ」
(付箋が模造紙をどんどん埋めていく)
ルーシー「この“行動地図”が、次の分析の材料になります。数字と結びつけて、どの行動が成果に影響しているのかを見ていきましょう」
クロタネ「ブラックボックス……いよいよ開けるときが来たな」
「相関分析で数字と行動の関係を見る」——営業の“動き”と“成果”はどこでつながっているのか?データが語りはじめる。
営業行動の洗い出しは、現場の“勘と議論”が主役です。巻紙分析のように実際の案件を時系列でなぞる手法を活用することで、普段は見過ごされがちな動きも引き出されます。まずは完璧を目指さず“出し切ること”が第一歩。次の分析に進むための土台になります。
権守一城
中小企業診断士:経済産業大臣登録番号427888
中小企業の現場出身の中小企業診断士。
事業・経営・ITの3本足を持つヤタガラス人材チームを中小企業で創る支援を大切にしています。